●庵治石
香川県庵治町牟礼町にまたがる霊峰『五剣山』から採石されています。丁場(採石場)は大丁場、庵治山丁場、野山丁場の3カ所があり、石目や庵治石の特徴である斑の浮き具合によって数段階の等級に分かれています。
歴史は古く平安時代には京都で使われていた記録がのこっています。現在も世界最高峰の御影石とされる庵治石は首相官邸の庭や東京オリンピックの聖火台等の有名な建築物にも使われています。
●犬島石
岡山県の瀬戸内海に浮かぶ小島のひとつ犬島。小さな桟橋に店を出すおばちゃんは犬島石を愛する方で島から離れる石の行く先を記録していました。その中には札幌モエレ沼公園の名前もあり、イサムノグチが設計したプレイマウンテンの石段として使われたと記されていました。
また石垣に数多くの巨石が使われている大阪城の石垣の中で最も大きな巨石として有名な桜門蛸石(大きさ畳36畳分、重さ130t)は犬島から採石された石です。石の色合いは白と錆色がありその表情はとても豊かで美しい色合いです。
●大島石
しまなみ海道が通る愛媛県大島が産地。念仏山の周辺から採石される丁場(採石場)からは青く輝く瀬戸内海がみえます。景色の美しい大島で生まれた石は白御影に分類されますが白すぎず濃すぎない色合をしていて、強度も備わっていることから四国、関西では古くから人気が高く実績のある石です。近年は首都圏でも多く使われている高級墓石材です。
●紀山石
東北福島県の緑が豊かで静かな田園風景が広がるいわき市郊外、この地には縄文時代がルーツとされる『やっちき踊り』が伝え残さ現在の盆踊りの原型とも言われています。
そんな上三坂地区の芝山から採石される紀山石は青みがあり粒子の美しい御影石です。紀山石は主にお墓として使われていますが錆色の面を生かした建築材としても人気があります。
●天山石
九州の佐賀県から採石されている最高品質の御影石です。地質学的には花崗岩より硬い花崗閃緑岩に属す石で青みが強く紺碧の海の様な透明感があります。採石元の天山石材の徹底した品質管理は職人の目と機械の目によって行い原石ごとにデータを取って管理しています。
また製品も『変色し難い』『光沢が落ち難い』理想の高級石材です。丁場(採石場)が発見されてまだ50年程ですが古事記や日本書紀に記されている垂綸石伝説は天山石と同じ起源の石です。
●伊達冠石
宮城県蔵王連山を望む里山から伊達冠石が採石されます。地表近くに柱状節理の形で現れ、その周りから玉状の丸石が現れます。石質の種類は両輝石安山岩に分類され緻密に詰まった石質は磨くほど美しい光沢が生まれます。
また磨いた直後の黒檀色から数年をかけ鉄錆色に変化する個性的な石です。伊達冠石は彫刻家イサムノグチにも愛され多くの作品が造られました。また昭和40年代には北海道でもお墓の石として数多く使われていた石です。
●真壁中目石
いばらき県の筑波山の北から採石される真壁石は、昭和30年代から北海道のお墓の石として大変人気のある御影石です。真壁中目石を柔らかい色合いと表現するが多いのも人気の要因になっていると思われます。
真壁石の歴史は古く古墳時代につくられた石棺が出土しています。また赤坂離宮(迎賓館)や日本銀行など多くの有名建築物にも利用されている高級石材です。
●万成石
岡山県の岡山駅から5㎞しか離れていない街中の矢坂山から採石されています。通称『さくら御影石』と言われように桜の花の様な色合いの御影石で女性に大変人気があります。
本格的な採石を始め130年経ち現在は標高120mだった山の80m部分を採石しています。2010年に過去最大と思われる3万才(約15年分)の玉石にあたり過去の歴史の中で最も安定した種出し(石を切出す作業)をしています。
●やさと御影石
いばらき県石岡市と桜川市にまたがる信仰登山の山と知られている加波山の山頂近くから採石されています。丁場(採石場)は石岡市を眼下に見下ろす標高約700mの場所にあり振返ると大きな御影石の面を迫る景色には圧倒されます。
原石は大きく良質であり石目も均等な原石を採石することも可能であるためめ、お墓だけでなく500年以上前から鳥居、燈籠などの寺社建築にも多く使われています。