民俗学の父と呼ばれる『柳田國男』が終戦間際から書き始めた『先祖の話』という本があります。
敗戦後に日本人が日本人の心を失くさぬように書かれた本です。この本には次のように書かれています。
人は死ぬと魂はどうして良いかわからず落ち着かない状態の『荒魂』『死霊』と呼ばれる状態になります。死後、七日毎の法要に始まり四十九日法要と百ヶ日、一周忌、三回忌の追善供養を行うと(神道では10日祭50日祭、100日祭等)、死霊はやがて『除災招福の力』を発揮し、家の災いを除き、幸福をもたらすようになります。
その後、魂は年月を重ねていくと落ち着き和やかな状態の『祖霊』『和魂』と呼ばれる状態になり、やがて祖霊は家族や子孫に繁栄と恩恵をもたらすようになります。
そして、三十三回忌、五十回忌が終わると神様となり『神霊』『氏神様』と呼ばれ、地域の災いを除き五穀豊穣をもたらします。