なぜ、お墓参りをするのか
「なぜ、お墓参りをするのか」
お釈迦様の遺言
悟りをひらいたお釈迦様は生きながら仏と成りました。成仏するということは悟りをひらき仏と成ることをいいます。つまりお釈迦様と同じ状態になることです。ただし、お釈迦様のような強い神通力を持つには長い長い時間がかかると思いますが…。
この本にはブッダの側で25年もの間ブッダの世話をしながら一番多くの説法を聞いた直弟子のアーナンダと交わした最後の様子が書かれています。これはブッタの遺言と言っても良い会話です。
お参りすることで
心穏やかに暮らせ、やがて浄土に往生できる
ブッダは自分自身が死んだあと弟子たちに望んだことは、今まで通りの修業を続け正しい目的のために努力し実行しなさい。そして自分自身の供養や埋葬には関わらず正しい目的に向かって勤め専念してほしい。私の遺骨は王族、バラモン、資産者の賢者達で遺骨の崇拝をするであろう』と言われました。
しかしアーナンダはブッダに聞きました。『尊い方よ、遺体をどのように処理をしたら良いのでしょう』
ブッダは答えました。
『アーナンダよ、世界を支配する帝王(転輪聖王)を処理するようなしかたで処理すべきである』
そしてブッダはこう続けました。

原文・・・
『四つ辻にストゥーパを作りなさい。誰であろうと。そこに花輪、香料、顔料をささげて礼拝し、また心を浄らかにして信じる人々には、長いあいだ利益と幸せが起こるだろう。 そして、私の教えを聞いて実行する人に人々がかれのストゥーパをつくって、これを拝むべきである。そうすれば、心が浄まって死後に、善いところ天の世界に生まれることができる』

注釈・・・
人が集まりやすい道が交差した場所にお墓をつくりなさい。誰であろうと、そこに供花と線香とお水を供え礼拝し、心を清らかに信じる人々には望む幸せとご利益を与えよう。 仏教の教えを信じ成仏した人(ご先祖様)のお墓を子孫が作って、お参りすべきである。そうすれば、心穏やかな暮らしを送ることが出来る。死んだあとには浄土に往生できる

お墓は遺骨を納めるだけの施設ではありません。お墓は、死者を仏にして浄土に往生させるためにつくります。そして成仏したご先祖様がお墓参りに来た子孫の希望や悩みを聞く場所でもあるのです。